興信所や探偵事務所への依頼は、人生の重要な局面で検討されることが多いものです。
しかし、興信所と探偵事務所の違いについて、具体的に理解している人は少ないかもしれません。
本記事では、大阪で活躍する現役の探偵が興信所と探偵事務所の違い、業務内容の特徴、そして適切な選び方について詳しく解説します。
今、探偵へ相談するか悩んでいる方は是非参考にしていただけたらと思います。
1. 興信所と探偵事務所の基本的な違い
興信所と探偵事務所は、どちらも調査業務を行う機関ですが、その目的や手法には明確な違いがあります。
それぞれの特徴を理解して、適切な選択をすることが大切です。
興信所の特徴
興信所は、主に公開情報を基にした調査を得意としています。
そのため、直接的な尾行や監視を行うことはほとんどありません。
得意分野：
信用調査、婚前調査、企業の取引先の信頼性確認、資産状況の調査など。
情報収集の方法：
公的な記録やデータベース、インタビューなどを活用し、正確な情報を提供します。
メリット：
法的に安心な手法で信頼性の高い情報を得られる。
デメリット：
行動監視や直接的な証拠収集には向かない。
探偵事務所の特徴
探偵事務所は、主に行動確認を伴う調査を専門としており、尾行や監視を通じた証拠収集を得意としています。
得意分野：
浮気調査、失踪者の捜索、ストーカー対策、隠し資産の発見など。
情報収集の方法：
対象者を尾行し、写真や映像で証拠を押さえる。潜入調査を行う場合もあります。
メリット：
具体的な証拠が得られるため、法的な手続きにも活用しやすい。
デメリット：
調査に時間や費用がかかることがある。
業務範囲は変わらなくなっている
先程、興信所と探偵事務所の業務範囲における違いに関して解説しましたが、近年は調査業務として一括りされ、興信所が行動調査をしたり、探偵事務所が公開情報を調べる等、サービス提供の区別はなくなってきています。
| 興信所 | 探偵社 | |
| 調査業務例 | 法人：取引先の信用調査 個人：婚前調査、資産状況の把握 | 法人：従業員の勤怠把握、背信行為 個人：素行調査、人探し |
| 調査方法 | 公的な記録やデータベース | 監視や尾行、聞き込み |
| 特徴 | 精度の高い情報が手に入る | 決定的な証拠映像が取得出来る |
2. 興信所と探偵事務所の業務範囲
業務範囲を具体的に見ていくことで、両者の違いをより明確に理解できます。
興信所の業務範囲
興信所は、法人や個人の「信用情報」を調べることを中心に活動しています。
企業調査: 取引先企業の経営状況や財務データ、取締役の経歴などを調査します。
婚前調査: 結婚を予定している相手の職業、収入、過去の結婚歴、家族の背景などを調べます。
資産調査: 財産分与や相続の際に、相手の資産状況を正確に把握するための調査を行います。
履歴調査: 人材採用や契約前の確認として、過去の経歴や犯罪歴の有無を調査するケースもあります。
探偵事務所の業務範囲
探偵事務所は、個人の行動を詳細に調査し、裁判でも使用可能な証拠を収集することを目的としています。
浮気・不倫調査: 浮気相手との接触現場を押さえ、写真や動画を提供します。
失踪者の捜索: 家出した家族や行方不明者を捜索し、居場所を特定します。
ストーカーや嫌がらせ調査: 被害を受けている場合、加害者の特定や被害状況の証拠収集を行います。
隠し財産の調査: 離婚や相続の際に、隠された資産を見つけるための調査も可能です。
3. 興信所が適しているケース
興信所の特徴である「情報収集力」を活かせるケースを具体的に見ていきましょう。
信用調査が必要な場合
企業や個人との取引において、「相手が信頼できるかどうか」を知ることは極めて重要です。
興信所は主に公開情報や過去のデータを用いて信用調査を行います。
具体例:：企業取引の事前確認
新しい取引先が突然大きな案件を提案してきた場合、その企業の財務状況や過去の取引履歴を確認することで、詐欺や不誠実な取引を回避できます。
婚前調査が必要な場合
結婚は人生における一大決断です。
相手の家族構成や経済状況、過去の交友関係など、婚前調査を通じて不安を解消できます。
具体例：
大阪市港区在住のAさんは結婚を考えている相手について、実は過去に大きな借金を抱えていたり、犯罪歴を隠していたこと興信所の調査で知りました。この情報により、相手と慎重に話し合う機会を得ることができました。
情報の正確性が求められる場合
興信所は公的なデータを駆使して調査を行うため、正確性が求められる調査に向いています。
例えば、相続や財産分与の際に、相手の資産状況を調査するケースが挙げられます。
4. 探偵事務所が適しているケース
探偵事務所は行動調査を得意とし、現場での証拠収集に優れています。
以下のケースで力を発揮します。
浮気や不倫の証拠を収集したい場合
探偵事務所は、尾行や監視を通じて浮気や不倫の証拠を掴むことが得意です。
裁判でも使用できる写真や映像を提供できるのが大きな強みです。
具体例:：行動監視と証拠収集
大阪市浪速区在住のBさんは夫の浮気を疑い、探偵に依頼しました。探偵は2週間の尾行の末、夫が特定の女性とホテルに出入りしている写真を収集しました。この証拠は、慰謝料請求の場で有力な材料となりました。
人探しをしたい場合
行方不明者や家出した家族を探す場合、探偵事務所は非常に有効です。
具体例：息子の失踪
神戸市東灘区在住のCさんは、家出した息子を探すために探偵に依頼しました。探偵は息子がよく訪れていた場所や目撃情報を基に捜索を進め、1週間後に無事発見することができました。
ストーカー被害に対応したい場合
探偵事務所はストーカー被害者の安全を守るため、証拠を収集し警察への相談をサポートします。
具体例：何者かに毎日つけられている
大阪市都島区在住のDさんは職場の同僚からストーカー行為を受けており、探偵事務所に相談。探偵がストーカー行為の証拠を集めたことで、警察への通報がスムーズに進みました。
5. 興信所と探偵事務所の選び方
どちらを選ぶべきか迷った場合は、以下のポイントを基に判断してください。
調査の目的を明確にする
取引先や婚約者の背景を調べたい場合は興信所が最適です。
浮気、不倫、ストーカー被害などの調査には探偵事務所を選びましょう。
実績と評判を確認する
信頼できる機関を選ぶためには、実績や口コミを確認することが大切です。
具体的なチェックポイント
・過去の調査実績が公開されているか。
・地域での評判や口コミが良いか。
・調査報告書のサンプルが提示されるか。
費用とサービス内容を比較する
調査内容や期間によって費用が異なるため、複数の機関から見積もりを取ることをおすすめします。
興信所の相場:：15万円〜30万円
探偵事務所の相場：浮気調査は1日10万円程度、長期調査では数十万円に及ぶ場合もあります。
調査業の許可を確認する
興信所や探偵事務所は、探偵業法に基づいて営業許可を得ている必要があります。
この許可がない機関は避けるべきです。
6. 注意すべきポイント
依頼する際には、以下のリスクや注意点を理解しておきましょう。
違法な調査を行わない機関を選ぶ
違法な手法で収集された証拠は、法廷で使用できないだけでなく、自分自身がトラブルに巻き込まれるリスクもあります。
違法調査かどうかの注意点
・尾行などの調査が不適切な方法で行われていないか確認する。
・プライバシー侵害に該当する調査を行わない機関を選ぶ。
費用のトラブルを防ぐ
調査が長引くと費用がかさむことがあります。
事前に予算を明確にし、追加料金が発生する条件について契約書に記載してもらいましょう。
プライバシー保護を徹底する
調査内容や結果が外部に漏れないよう、情報管理が徹底している機関を選ぶことが大切です。
まとめ
興信所と探偵事務所は、調査目的やアプローチが異なるため、自分のニーズに合わせて選ぶことが重要です。
信用調査や婚前調査には興信所が適し、浮気や行動監視には探偵事務所が適しています。
ただし、近年は探偵事務所でも興信所のサービスを提供している業者がほとんどになっています。
依頼する際には、信頼性、実績、費用などを総合的に判断し、安心して任せられる機関を選びましょう。
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